本心

本心

池松 壮亮 三吉 彩花 水上 恒司 仲野太賀 / 田中 泯 綾野 剛 / 妻夫木 聡 田中 裕子 原作:平野 啓一郎「本心」(文春文庫 / コルク)  監督・脚本:石井 裕也 音楽:Inyoung Park 河野 丈洋 製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ / 制作プロダクション:RIKIプロジェクト 11月8日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

最新情報

    予告

    イントロダクション

    監督・脚本 石井裕也×主演 池松壮亮×原作 平野啓一郎 《人間の存在》 を揺るがす、傑作小説の映画化!

    世界に誇る日本映画界屈指の鬼才・石井裕也監督が、技術が発展し続けるデジタル化社会の功罪を鋭く描写。今と地続きにある少し先の将来、“自由死”を望んだ母の“本心”を知ろうとすることをきっかけに、進化する時代に迷う青年を映し出す。

    今回、主演を務めるのは、近年ますます活動領域を拡張している俳優・池松壮亮。時代に置いてけぼりにされた青年・石川朔也を、あえて地に足の着かない不安定な演技で見事に体現。池松演じる朔也の母 秋子役には数多くの名作映画に出演してきた俳優・田中裕子が扮し、生身/VF(ヴァーチャル・フィギュア)という未知の“2役”に挑み、圧倒的な存在感を見せつける。そして、俳優として成長著しい三吉彩花が、秋子の素顔を知るキーパーソンであり、過去の傷を抱えるミステリアスな女性・三好を好演。彼女が朔也の人生に与える影響とは…。さらに、水上恒司、仲野太賀、田中泯、綾野剛、妻夫木聡といった名実ともに日本映画界を牽引するオールスターキャストが集結。

    リアルとヴァーチャルの境界が崩れ、利便性が異常進化し続ける今、時代の変化に彷徨う人間の《心》《本質》を描く、革新的なヒューマンミステリーが誕生した。

    ストーリー

    「大事な話があるの」――そう言い残して急逝した母・秋子(田中裕子)が、実は“自由死”を選んでいた。幸せそうに見えた母が、なぜ自ら死を望んでいたのか…。どうしても母の本心が知りたい朔也(池松壮亮)は、テクノロジーの未知の領域に足を踏み入れる。生前のパーソナルデータをAIに集約させ、仮想空間上に“人間”を作る技術VF(ヴァーチャル・フィギュア)。開発している野崎(妻夫木聡)が告げた「本物以上のお母様を作れます」という言葉に一抹の不安を覚えつつ、VF制作に伴うデータ収集のため母の親友だったという女性・三好(三吉彩花)に接触。そうして“母”は完成、朔也はVFゴーグルを装着すればいつでも会える母親、そしてひょんなことから同居することになった三好と、他愛もない日常を取り戻していくが、VFは徐々に“知らない母の一面”をさらけ出していく……。

    キャスト・スタッフ

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    石井 裕也 / 監督・脚本

    石井 裕也/ 監督・脚本

    《 コメント 》

    平野啓一郎さんの傑作小説を映画化できて本当に光栄に思います。これからさらに普及していくAIやテクノロジーに対して少しでも不安に思っている方々に捧げる映画です。これから確実に到来する複雑な世界の中で、登場人物たちは地に足をつけられず、ひたすらに迷子になっていきます。それは明日の僕たちの姿です。あるいは、もしかしたら僕たちはもうとっくに迷子になっているのかもしれません。素晴らしいキャストとスタッフと共に人が生きる喜びをシンプルに祝福するためにこの映画を作りました。不思議で面白い極上の迷子を是非劇場でご堪能ください。

    原作

    『本心』 (文春文庫/コルク)著者:平野 啓一郎
    愛する人の本当の心を、あなたは知っていますか?「母を作ってほしいんです」――AIで、急逝した最愛の母を蘇らせた朔也。孤独で純粋な青年は、幸福の最中で〈自由死〉を願った母の「本心」を探ろうと、AIの〈母〉との対話を重ね、やがて思いがけない事実に直面する。格差が拡大し、メタバースが日常化した2040年代の日本を舞台に、愛と幸福、命の意味を問いかける。『マチネの終わりに』『ある男』に続く、傑作長編小説。
    《 コメント 》

    『マチネの終わりに』、『ある男』に続き、『本心』が映画化されることとなり、私は期待に胸を膨らせました。しかも、驚くほど豪華なキャスト! とは言え、本作の映像化の困難は容易に想像がつきました。2040年代の日本と、その世界を生きる人々は、果たしてどのように描かれるのか? 登場人物たちの人生を通じての思想的な問いかけは? 脚本の段階で相談を受けましたが、私は、原作のプロットを窮屈になぞろうとするのではない、石井裕也監督による映画的な再構築を受け容れました。試写会では固唾を飲んで見守りました。小説の映画化に於いて、原作と映画は、一種、共同的なライバル関係にあるのだということを、私は強く感じました。一つの新しい世界が誕生しました。そして私は、それを実現した監督、俳優を初めとする映画制作者たちに敬服しました。

    スペシャル

    01.近い将来

    本作の舞台は2025年から始まる。

    リアルとヴァーチャルの境界が崩れ、利便性が異常進化し続ける世界で、人間の存在価値や欲望、愛や心はどこへ向かうのか――。

    02.ヴァーチャル・フィギュア(VF)

    「本物以上のお母さまを作れます。」

    最先端のAI(人工知能)、AR(添加現実)の技術を組み合わせながら、仮想空間上に外見だけでなく、会話もできるように再現された“人間”、その技術。これまでのライフログ、メールのやり取り、写真、動画、ネットの検索履歴などの情報をAIが集約し生成される。日々、学習も続ける。

    03.リアル・アバター

    「簡単に言えばこの体を丸ごと貸し出す。重宝されるぞ。」

    自身のカメラ付きゴーグルと依頼者のヘッドセットを繋ぎ、依頼者の体として擬似体験をする職業。
    遠隔で操作する依頼者の指示通りに動く。依頼主は、アバターの行動を自身のことのように体験できる。
    実世界でリアル・アバターとして 依頼主からの意思通りに行動する仕事。

    04.自由死

    「もう十分かな、と思ってるの。」

    本作の舞台は、個人が自分の「死」の時期を選ぶことのできる制度が合法化された世界。寿命による〝自然死〟に対して、言わば、無条件の安楽死であり、合法ではあるが“自死”のようなもの。

    05.過去

    「何故、あんな事件起こしたの?」

    朔也は高校時代に、ある女性をきっかけに人生を狂わせる事件をおこした。三好は過去のトラウマで、今も人に触れることができない。そして、朔也の母・秋子には、朔也に言っていない過去の重大な秘密があった…。